工場見学

加藤軽金属工業株式会社

熱と金属と型のノウハウをギュッと加藤軽金属工業株式会社

加藤軽金属工業株式会社

「アルミニウムの押出成形でフレームを作る」作っているものを説明することは簡単です。
しかし、その工程には様々な自然の理があり、それをどう上手く付き合っていくかに製造業の熟練さが現れます。

今日はそんな押出成形のように技術力がぎゅっと詰まった、愛知県海部郡蟹江町にある加藤軽金属工業株式会社さんの工場を見学させていただきました!

加藤軽金属工業株式会社
〒497-8533 
愛知県海部郡蟹江町西之森三丁目47番地
アルミ形材、押出、加工

■押出成形とは?

熱して柔らかくなった材料を型にはめて、押し出すことによって、同じ形のものを連続してを作り出す技法です。

身近なところで例えると、ところてんのように型に入れて押し出すと、同じ形状のところてんが出てくるようなことをイメージしていただければ結構です。

加藤軽金属さんではこのような方法で、建材用、機械用、自動車用、オフィス家具用に製造しています。

■主な流れ

1)加熱
2)押出
3)矯正
4)裁断
5)熱処理
6)組立て、梱包、検品
7)出荷

1)加熱

ビレットという円柱の材料(加藤軽金属工業さんではアルミニウム)を仕入れ、ビレットヒーターで460度ぐらいに加熱します。

この窯で型を加熱します

それと同時に、型も大きな温度差が出ないよう加熱します。

2)押出

熱したビレットと型をマシンにセットし、2500トンの力で押し出します。

押し出し中も、摩擦熱も考慮する必要があり、始めは少し温度を下げた状態でスタートし、徐々に摩擦熱で温度が上がっていきます。

成形されたフレームは長いレーン上に、どんどん製造されていき、この場で自然冷却します。

3)矯正

金属も自然の一部。熱や素材、形状の特性で反ったり歪んだりしてしまうので、ストレッチャーで矯正します。

4)裁断

決められた寸法で切っていきます。

5)熱処理

必要に応じて、形材の高度を高めるために熱処理をします。

6)加工、組立て、梱包、検品

製品によっては組み立て、梱包時に目視による検品をします。
決められたロット数に応じて検査を実施し、引っ張り試験では質の検査として、熱処理や冷却がしっかりできているか検査します。

ビレット(金属)加熱するのは、加工しやすくするだけでなく、金属の質(粒子)を整える役割もしているそうです。
ただただ加工しやすいように熱するわけではなく、金属をよりいい状態にする役割も担っていることを初めて知りました

7)出荷

以上が加藤軽金属工業さんでの製造製品の主な流れです。

■押出成形の型について

押出成形なので、もちろん型があるのですが、これがなかなか奥が深いです。
単純に押し出すだけなら簡単なんですが、先ほどお伝えした「摩擦熱」や「反り、歪み」など作りたい形によって考慮する必要があります。

薄ければ薄いほど成形は難しいですが、作りたいものが面に応じて厚さが違ったり、筒状とL字ものが組み合わさったり、複雑性が増すと、反りやすさや、1回の成形で押し出されるスピードの差が出てきたり、形状によっては型の消耗が激しかったりなど、研究・開発には多くの壁が立ちはだかります。

こう考えると、いかに型が重要で複雑か分かっていただけると思います。

多くの取引先の型を保管。ここはまだまだ一部で、別の部屋にも膨大な型が!

そのため加藤軽金属工業さんでは、型の職人さんが5、6人ほど在籍しており、金型の種類によって、得意な職人さんがいるそうです。

技術・ノウハウが詰まった金型製作ですが、常に継承育成としてOJTを行っており、みなさん「一人前」という概念を持たない職人集団です。

このような知の集積があるため、1つの型を製作するのは大体3週間ほどで出来上がるそうです。

他にも小ロット対応が可能なため、ベンチャー企業の技術支援も行っていたり、大小様々な企業さんとの繋がりの中で可能性を広げています。

■現在、加藤軽金属工業さんで取り組んでいること

現在、取締役社長の加藤大輝さんは元々事業を継承するつもりはなかったそうです。
当時は他社でサラリーマンをしていましたが、知人から会社の実情を知ったことをきっかけに、会社に関わってくれた人や企業に恩や感謝を感じ、家業を継ぐことを決意されました。

数年前に継承した社長の加藤大輝さん。じっくり社内改革に取り組んでいます。

社内文化の醸成

家業を継いだ加藤さんが、まず始めたことの一つが、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の策定。加藤さんは前職で企業の課題解決を支援していた経験を活かし、社内有志で集まり、共にMVVの策定に取り掛かりました。

もちろんMVVは作って終わりではありません。
それを体現するために、社内制度の改定や、社内ルーティンなど、大小問わず社内の整備・調整を少しずつ行った経緯があり、その結果、以前は意見もでない上に、社員はどこか他人事のように仕事に取り組んでいましたが、今では進んで意見が飛び交い、部署を越えて協力し合える体制に成長しました。

もちろん一朝一夕でできるわけではなく、そこには長い年月が掛かり、現在もより良い会社に成長するため、継続して社内文化の醸成に取り組んでいます。

コストとSDGs

その他にも取り組んだこととしては、コストの削減。
取材時に加藤さんが「見ます?」を見せてくれたパソコン画面には、社内の全コストを事細かに記録し、管理されている表が表示されており、項目やシートの多さに、私は見ることを諦めました(笑)

やはり製造業で一番気がかりなのは、光熱費。
市場だけでなく社会や環境に対して、会社が果たす責任があり、そしてそのバランスが大切です。

加藤軽金属工業さんは、電力消費量削減に色々な角度から取り組み、CO2排出を減らすと同時に、経費を削減しています。

捨てるとこなくリサイクルへ

他にもアルミニウムの再利用を意識しており、再生時にCO2の排出量が少ないため、積極的に取り入れていくそうです。

実際に矯正の部分でストレッチャーを使うと、どうしてもストレッチャーに接する部分が端材になってしまいますが、材料がアルミニウムなので再利用が可能。まさに捨てるとこナシです!

押出形成で製造したフレームを自然冷却する際に、「この熱やスペースを何かに利用できれば」と仰っていたところから、コストやエネルギーの再利用などの感度の高さが伺えます。

このようにコストを少しでも削減するため、できることから少しずつ取り組んでいます。

当たり前のことを、当たり前に取り組み続けることは容易ではありませんし、一人でできることではありません。
だからこそ社内文化を醸成しつつ、内から外へすこしずつ整えていく。
こういった姿も、製造される製品の細部に現れているのではないかと感じた工場見学でした。

加藤軽金属工業株式会社
〒497-8533 
愛知県海部郡蟹江町西之森三丁目47番地
業務:アルミ形材、押出、加工
https://katokei.co.jp/

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